ロジカルな欲望、エモーショナルな欲望

 

 

 

お客様は何に動かされて商品を手に取るのでしょう?

 

商品の評価には2種類あります。

一つがロジカルな評価、もう一つがエモーショナルな評価です。

ロジカルな評価とは、理論的な価値を認めるということ。サプリや化粧品で言えば成分表です。

例えば「LーシスチンとビタミンCをダブルで配合」「プラセンタ濃縮末〇〇mg」など、知識や数値で説明できます。

エモーショナルな評価は、直接感情や欲望を揺さぶります。

「しわが増えたのではないか」

「同窓会で老けたと言われたくない」

「結婚式までにきれいになりたい」

などのことで、

「増えた」「老ける」「きれい」の数値や根拠はありません。

 

ただ、「嫌!」「欲しい!」という衝動的な気持ちが心を支配します。

 

売る側が絶対に忘れてはいけないのは、「お客様はエモーショナルな評価で動く」ということです。

欲しい!と思わせるのはエモーショナルな評価です。

まず感情、衝動が商品をカートに入れ、

理論は、その「カートに入れた自分を正当化する」ために使われます。

 

もっと例を挙げましょう。

 

「貯金しようと思っていたのに新しいバッグを買ってしまった」。

節約していたのに、ネットで好きなタレントが持っているのを見ていたらどうしても欲しくなってカードを切ってしまった。

ここに理屈はありません。

ただ「かわいい!」「タレントの○○ちゃんみたいになりたい!」という衝動、感情が働いています。

思わずクレジットカードを取り出した瞬間の罪悪感を、

「素敵なバッグがあるとおしゃれが決まるから、安いものを買うよりお得だわ」

「このバッグならパーティーにも仕事にも持っていけるし、結局お得じゃない?」

と、自分を正当化する。

これが値段や材質などの「ロジカルな評価」です。

プライベートでは誰もが毎日のように経験しているこのことを、ビジネスになったとたんに忘れてしまうという現象が、実はとても多いのです。

「このサプリにはこんなすごい成分を配合しています」

こうした「ロジカルな評価」でお客様を呼ぼうとしていないか、お客様の「エモーショナルな評価」を本気で引きだそうとできているか、

この点を常に意識しておけば、商品は買い物かごにどんどん入っていきます。